怒涛の町中華で畳み掛ける12月なんですが、まさかの連投。今回は「ニラ玉ラーメン」を作っていきましょう。新宿御苑、北京飯店さんから「ニラ玉ラーメン」をお届けします。今回はマイルドチャーハンならぬマイルドスープのお披露目です! iketch特製「マイルドスープ」で「ニラ玉がしっかり美味しい」ラーメンを作っていきましょう。
1+1は2です。「バカにしてんのか?」って言われそうですけど、1つ1つの別料理を1つに合わせたら1になるって勘違いしている方が多いんじゃないかと思います。2なんです。1人前として成立している「ニラ玉」と「ラーメン」を1つにするととにかく「しょっぱく」なってしまいます。美味しくないんです。が、例外ももちろんあるんですよ、そう、白ご飯です。白ごはんは甘さと旨みで上手に具材を受け止めます。前月紹介した「牛丼」「うな丼」「カツオ漬け丼」がそれです。
今回「ニラ玉」を受け止めるのは「ラーメン」。そのまま作って組み合わせると、もぅ、失敗の予感しかしません。「うわっ、しょっぱい! なんじゃこれ〜」ってなります。1+1=2にしてしまったからです。いっそ別皿にしてご飯やお酒と共に食べた方が絶対いいです。「じゃあ、0.5+0.5みたいな中途半端な味付けにして1にすればいいじゃん」となります。やってみてください、多分美味しくないです。薄味のものを2つ合わせただけの料理になるはずです。
「どうしろっていうの!?」
大切なのはテーマ。何を食べたいか、何を食べさせたいか、どう食べさせたいかそこを絞り込むことが鍵です。iketchが定めたテーマは「北京飯店で出てくるような、美味しいニラ玉がガッツリ乗ったスープまで美味しい細麺の中華そばっぽいヤツ」でした。こうなるとレシピも段取りも自然に頭に浮かんできます。「ニラ玉の味付けをかえしっぽくしてやって、スープに溶けることで旨い味付けにしよう(鳥栖のかしわうどんの応用)」とか「町中華なら細麺の鶏がら醤油だな、でも、ニラ玉にかえしをのせるから醤油を抑えて、ニンニクで少しパンチをきかすか、そうなると今回(シャンタン)は出番なしだな」とか色々具体的なプランが仕上がってきます。そうして出来上がったのが、美味しさの比率、ニラ玉:ラーメン=7:3くらいのニラ玉ラーメンなんです。
そうか、今回ニラ玉ラーメン初調理(それぞれにはしょっちゅう作ってますよ)でしたが、うまくいったのは「鳥栖のかしわうどん」「岩槻の豆腐ラーメン」「浦和のスタミナラーメン」「西所沢の天津麺」といった調理経験が活かされたからなんでしょう。具材を受け止めるラーメンって、ただの一人前のラーメンじゃダメなんだ、とニラ玉ラーメンを啜りながら思った今回でした。