フリーテーマでお届けする9月なんですが、だからこそ紹介できる一品を持ってきました。「大和煮」です。てっきり奈良県の郷土料理かなにかと思っていたんですが、発祥はなんと「千葉県」。千葉の缶詰業者さんが考案し、材料は鶏肉だったといいます。大和煮とは牛肉や鯨肉を甘辛く煮付けたもので、砂糖と醤油をほぼ同割で煮付ける非常に濃い味が特徴です。スーパーで「鯨の大和煮」「馬肉の大和煮」「牛肉の大和煮」などを見かけた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?


いつでも紹介できる簡単な料理なのであえて、触れてこなかったんですが今季のテーマ「S.D.G.s」目線で取り上げることにしました。大和煮の特徴として保存性は高いんですが、材料の持ち味が消えるというデメリットがあります。言い方を変えるとクセのある食材をご飯のおかずに合う料理に出来る方法なんです。だから匂いの強い鯨、馬、珍しいところではトドなどが材料として立ち上がって来るわけです。それを作っていきたい!

「ちょっと待ってよ、iketch! 鯨、馬、トドなんて普段食べないよ!」 ...ですよね。もちろん、今回は「牛肉」を使っていきます。考え方なんですが、折角いい状態のお肉が手に入っても運搬中の温度の変化、冷蔵庫の開け閉めによる温度の変化、時間が経過することによる食品劣化はコントロールが難しいものです。「ちょっと、色が悪くなっちゃった」とか「結構ドリップ出ちゃったな」とかなった時、素材の力ではなく調味料の力に委ねてみるというのもありだと思うんです。来月はいよいよ「だし強化月間」です。そこでは紹介できません(笑)。だから、ここでやりますよ! 自衛隊の携行食にもなっている大和煮。それは日本人が大好きな甘辛醤油味でご飯がしっかり食べられるおかず。古人の知恵が、ほら、こんなところにも。

砂糖と醤油で味付けたシンプルな牛肉の食べ応え。いいお肉ではなく端材のお肉や魚肉で作ってみてください。ご飯がモリモリ食べられる、日本の味を堪能できるはず!

教えて! iketch!:「大和煮としぐれ煮ってどう違うの?」

以前、ブログで紹介した時雨煮と、大和煮って何が違うんでしょうか? 時雨煮(しぐれ煮)は、大和煮にショウガをきかせた感じの煮物と言えます。だから、別名「しょうが煮」とも言います。こちらは本来ハマグリを佃煮風にしたもの。ショウガを加え、汁が残らぬほど強く煮こんで作ります。時雨煮はその風味から、どちらかというとお酒に合う感じです。大和煮はご飯のおかず、お弁当のおかずに向きます。どちらも「THE 日本の味」でiketchは大好きです。冷凍焼してしまったお肉や魚介を利用して作っています。レパートリーに是非、どうぞ!

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