筍もそろそろ旬が終わります。春の締めくくりに、五穀豊穣を願うアレに似せた料理を作りましたよ! 今回は「筍とちくわで作る五家宝風」です。

埼玉銘菓と書きましたが、五家宝は熊谷の代表的銘菓。香ばしいきなこの香り、どこか郷愁をそそる素朴な菓子として、草加煎餅せんべい、川越の芋菓とともに、埼玉三大銘菓の一つといわれています。 その起源は諸説あります。 熊谷で“五嘉棒”の名で売り出されたのが文政年間(1818~29)でした、江戸時代です。米粉・大豆を用いて五家宝種というものを作り、きな粉を振りかけたお菓子です。

「中山道の宿場町として栄え、市も開かれていた熊谷では、五家宝の原料となる「石原(いしわら)米」と称する良質の米がとれ、田畔あぜではきなことなる大豆が豊富に作られており、水飴の原料となる大麦も多く収穫され、生産に適していたようです。その後“五嘉宝”“五箇宝”の字があてられましたが、「五穀は家の宝である」という祈りを込めて現在の“五家宝”とつけられました。」(熊谷市ホームページ/100年フード)

とにかく、なんか懐かしい味なんですよね。現代のお菓子に類似するものがありません。気を衒った風味もありません。米、大豆、大麦由来の当たり前の風味と旨味です。熊谷を訪れる人が茶屋で腰を下ろして、お茶を啜りながら五家宝をいただく... ほっと一息入れられるその瞬間。その光景が頭に浮かぶようです。これをおかずや酒の肴に形だけでもいただきたいと思いました。で、拵えたのが今回の料理です。お酒の肴にするにはややパンチ力が劣りますので、輪切り唐辛子を1/2本ほど煮詰める際に加えてみてください。筍とちくわで作った五家宝を頬張りながら「久しぶりに熊谷に行ってみんべ」なんて、楽しく妄想。ノスタルジックな味わいをおかずに変えて。

甘辛で、プリッとシャキッとが楽しい食感に仕立てました。簡単な料理なので作ってみて!

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