「鬼は外福は内」なんて声が聞こえて、鬼がマメで退治される節分。邪気を払う目的で行われている行事なのは何となく理解ができますよね。僕が子供の頃にはまだ、「恵方巻」なんて行事食や文化がなくて知ってることといえば、豆で退治した後に年齢の数だけ豆を食べて、1年間の幸せを祈るんだってこと。 これは米と同じエネルギー源で霊力を持つとされる豆をまくことで、病や災いを祓い、更にその豆を食べることで力をいただけると考えられたからです。でも、美味しいから「いつか40歳になるんだから!」とか馬鹿なこと言って40粒とか食べるわけです。食べすぎると祖母に「腹を壊すからあんまり水を飲まないようにせぇ」って言われた思い出が。さて本題「めざし」です。もちろん「めざし」なんて魚はいません。加工工程で数匹ずつまとめて魚を干すための竹串やワラを目に刺すことが「めざし(目刺)」の由来なんです。竹串やワラを目に通す理由は可食部の損傷が少ないことや作業がしやすいことからきているそうです。目刺(目刺し、めざし)は干物の一種。 カタクチイワシやウルメイワシなどのイワシ類の小魚を塩漬けした後目から下アゴへ竹串やワラを通して数匹ずつ束ね、乾燥させたものです。じゃあ、これを何故「節分の日」に食べるかというと、豆まきと同じ理屈です。イワシは魚に弱いと書きますよね。「卑しく弱い鰯を食べる=悪い気を食べる、転じて『陰気を消し去る』という意味」を持つ行動になるそうです。節分の翌日2月4日は立春で、旧暦では元日に当たりますから新しい年を迎える前の日に(節分)悪い気をなくす、陰気を消し去る、魔よけ、と考えられてきたということなんですね。なるほど深いです。別件、「イワシの頭を木の枝にぶっ刺したあれは何だろう?」と調べてみました。子供の頃何処かでみて不気味に感じ「イワシヘッド(サカナヘッドだったかな?)」と名付けていましたが「柊鰯(ひいらぎいわし)」と呼ぶそうです。魔物(鬼)は臭いものが嫌い(イワシの干物=この場合めざし)、とがったものが怖い(鋭利な枝葉の柊)とされてます。そのため鬼よけのために玄関や軒先に飾り、家への侵入を防ぐんだそうです。やるじゃないか「イワシヘッド」! 僕自身が知ってたこと、知らなかったことがスッキリ片付いてなんか心が軽やかです。もやっとした新年を過ごされた方もここでもう一発邪気払い。美味しいめざしを頬張りながら、ポシティブに鬼と戦っていきましょう!

匂いが気になる方は酒を小さじ1ほど入れて蒸し焼きにしたのち、焼き目をつけると美味しいです。
頭から尻尾、骨、内臓に至るまで全部食べられます。部位ごとの食感や旨味の違いも楽しんで!

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