さぁ、日向国から強力な助っ人が参戦しましたよ! 「なかなかの猛暑でござるな。拙者、日向国より馳せ参じた『冷や汁』と申すもの。助太刀致す!」 心強いじゃありませんか! 宮崎県の冷や汁は冷たい味噌汁をかけたご飯。サラサラと食べられて栄養も豊富です、暑さ全開の九州から遠路遥々、武蔵国にやってきてくれました。「武蔵国の冷や汁殿、拙者も冷や汁。ここは存分に力を見せつけてやりましょうぞ!」と言わんばかりの心強さです。本籍宮崎県のiketchとしては、背筋がゾクゾクする展開です! 来たぞ、夏の強者(つわもの/クールガイ)が!

これぞ、夏の元気印! シャリシャリ、サラサラ、冷んやりおいし〜い!

「『冷や汁』は、即席のかけ汁で宮崎県の平野部を中心とする郷土料理である。近年は、食文化の情報が広がるにつれて県内に広がり、暑く湿気の多い宮崎県の気候風土の中で根づいていった。自然豊かで山の幸、海の幸に恵まれ黒潮に面した日向灘で採れる新鮮で豊富な魚介類、太陽の恵みを受けた野菜や作物など、美味しい食材の持ち味を生かした食べ方が「冷や汁」である。農民たちが暑い夏に、麦飯に生味噌をのせ、それに水をかけて食べていことが元になっているといわれている。」(うちの郷土料理/農林水産省)

前日に残った味噌汁、食べきれなかったおかず... これでいいんです。夏はじいちゃん、こればかり食べてました。僕だってそうです。こいつが前向かせるパワーをくれたんです。ある知人が「冷や汁って結構具沢山で、準備が大変そう」と言っていたことがありました(最近は料亭風の上品なレシピもあるみたいですね、それなら面倒くさそうです)。言わせてもらいましょう「それは『冷や汁』ではない」と。

余ったご飯(麦飯)、食べ切れなかった干物、自家製の漬物、冷たいお茶。きゅうりと茗荷でカッコつけてますが、ぶっちゃけ「映え狙い」。それすらもいらない、こんなんでいいんですよ。

先に書いたようになんでも残り物でいいんです。なんなら、前日の煮物とかで構いません。それを飯に乗せ、冷たい味噌汁をドバーっとかけ「ワシワシ食らう」これが正義。簡単な料理なんです。かつて農民が夏の重労働をおこなう際、時間や食欲のない時でも充分な栄養補給や体力回復のために、簡単に食べられる生活の知恵として伝承されてきた料理なんですから(九州の実家も農家でした)。近年は少なくなりましたが、農家や旧家などでお盆に親戚一同が会した時、宴席の締めに食されることも多かったようです。気取らずに、「ちぇすと(それいけ)〜」って感じで食べればいいんです。暑さに喘ぐ九州男児の魂を奮い立たせる「宮崎の飯」。いつも僕のそばで勇気と元気をくれます。

きゅうり、茗荷、大根、人参、豆腐、鯵の干物といった冷たい旨さを、冷たい味噌汁飯に乗せて繰り出す日向国の雄「冷や汁」! 夏の魔物たちの中に一気に切り込んで縦横無尽に大暴れです。武蔵国の雄「冷や汁(ごまだれうどん)と並び立ち、圧倒的な力で魔物たちを討ち取っています! 

「思い知るが良い、これが、飯の力よ! ちぇすと〜 !

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