暑いとどうしても喉越しの良い食事が恋しくなります。うどん、そば、そうめん、ひやむぎ、冷麺、冷やし中華... でも、家で作るとどうも美味しくない、そんな声を耳にします。家の設備だとうまくいかないんでしょうか? そんなことはありません。基本をしっかり押さえれば、お店に負けないものが出来上がります。「夏の魔物」と戦うために、iketchが旨いざるうどんの作り方を伝授します。

キリッと冷たいザルうどんで涼をとっていきましょう!

「また、かえしを作ったり出汁引きしたりするの〜 面倒臭い!」なんて言われそうですが、今回は麺つゆ、乾麺という入手しやすい材料で手際よく作っていきます。ご安心を。まず写真のうどんから。どうですツヤツヤでもっちりしてますよね? 最近は油をお湯に入れたりとか、酢を入れたりとか色々ありますが、何もしてません。お湯で茹でただけです。ポイントを箇条書きにしますのでそこを覚えてくださいね。

1:早茹でタイプは使わず、通常の乾麺(大体8分〜11分)を時間通りに茹でる

2:ボウルとザルを準備しておき、茹で上げた麺は流水で揉みながら滑りをとる

3:ぬるい水を取り替えて流水を勢いよくかけ一気に熱を奪う(しめる)

4:触ってひんやり感じるくらいに冷えたらザルだけ持ち上げ垂直に5回ほど水切りをする

5:できれば竹巣を引いた器の上に盛り付け、器を傾け底に落ちた水を切る

モチモチで、コシのあるうどんが準備できました。

1について、早茹では火の通りが早いので避けるのがベター。2について、まず滑り(小麦粉)を洗い流し口当たりと喉越しをよくしておきます。3について、何度か水を取り替えて水道水の温度まで麺温度を下げます。氷を用いる人もいますが、水道水の温度が高すぎる場合をのぞいて流水で十分です。冷やしすぎると麺がしまりすぎて硬くなります。4、5について、水分が残っているとうどんの伸びが早いです。しっかり水切りしましょう。

つゆは堂々「麺つゆ」使っていきましょう! 希釈するだけで簡単、今回はお気に入りの創味麺つゆを使いましたが、ポイントは水で割るのではなく「だし」で割ることです。今回はつゆ三杯分を想定して400mlの水に顆粒だしの素を小1溶かしました。目的は香りをのせること。かつお節だともっと香りが乗りますが、顆粒だしの素でも十分です。麺つゆには出汁が入っていますので、旨味を乗せるというよりは足りない香りをのせるだけです。こいつを作って一気に粗熱を取り冷蔵庫にイン。後でこれとめんつゆを割ります。

ちょっと美味しくする努力、これがまず大切です。翌日、うどんを食べること前提にして150mlだけ冷蔵庫で保管しとけばいい話。麺つゆと混ぜるときは大きくかき混ぜて、鰹の香りを立てて!

つゆについてです。400mlの水に小さじ1の顆粒かつお出汁を溶かしていきましょう。ちょっと沸騰したらそれでOK。ポリ袋に入れてボウルに流水で一気に粗熱を取り冷凍庫へイン。10分で冷たくなります。これをベースにして麺つゆを加えます。軽くかき混ぜるとかつおの香りが立ちます。

1:400mlの水を手鍋に入れ、顆粒鰹出汁の素を加え沸騰したら即終了

2:ポリ袋に移し替え流水で粗熱を取り、冷凍庫で10分くらい保管

3:もし前日にかつお出汁を引く場合、必要分を別容器に保管しておけば、翌日冷たいだしが使える

4:食べる直前に軽く攪拌すると(箸などで)香りたちます

1について、だしは薄くてOKです、欲しいのは香りだけ。麺つゆの力を信じましょう。2について急ぐときはポリ袋かジップパックに入れて冷凍庫に入れときましょう。3について、前日にだしを引く場合は顆粒かつおだしの素は減らさなくて大丈夫。香りが落ち着いてちょうどいい感じです。4について、ワインを揺らして飲むのと同じ理屈です。振動で浮かび上がり空気にふれ香りたちます。これが麺つゆと水だと乏しいんですよね。

さぁ、最後は薬味ですよ!

正直、写真の3点くらいで大丈夫です。ルール、油揚げは1枚を必要分直前でカットすること、ネギも直前で必要分カットすること、生姜も直前で(若干皮を残しつつ)必要分すること。そして、全ての材料は事前に冷やされていること、です。たったこれだけで、違います。薬味は香ってなんぼ。うどんを劇的に美味しくします。ポイントをしっかり押さえて、暑い時期だからこそ、エナジーチャージできる麺類を美味しく取り入れていきましょう!

シンプルイズベスト! これがざるうどんだ!

こちらはとろ(ろ)ざるうどん。薬味をわさびに変更し、特製だしとろろを添えました。

長芋おろし100gに今回のだし大さじ2くらいで出汁とろろは作れます。うどんつゆの濃さに合わせて調整してみてください。

これから登場する「次の一手」の布石となります。他の麺類にも応用が効きますのでしっかり身につけて美味しい麺料理をご家庭で実現していきましょう!

「夏の魔物」の猛攻に押されつつも、決して諦めない大将、ごまだれうどん! 「殿を死なせるわけには参りませぬ!」 iketchの「うどんを旨くする計略」をここで放ちましょう! 全ての冷凍麺、生麺、乾麺をコシのある刃にかえ、つゆを矢にかえ、薬味を盾にかえ夏の魔物を討ち取って見せましょうぞ! 兵法十八番「麺屋の計」! 受けてみよ!

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