幼い頃、桜の時期になると祖父が桜美しい山に車で連れ出してくれまして、桜を眺めながら山頂を目指しました。見上げて美しい桜も、山の上から見下ろすと淡い薄桃色の絨毯のように視界に広がりまた別の感動を覚えたものです。祖父はどちらかというと寡黙な人でしたが、そんな桜を見上げながらふと足を止め「〇〇(僕の名前)、桜... 綺麗じゃな...」なんてぽつりと言うんです。激動の大正時代に生まれ、太平洋戦争を乗り越え、高度成長期を駆け抜けた祖父と祖母。ぽつりと漏らすその一言が、何よりも強く平和の尊さや、美しい季節を愛でる日本人の言葉を代弁していたように思います。生きていればいろいろなことがありますよね、辛い時も、苦しい時も。乗り越えてきた人の言葉の重みを幼い心に刻みました。何十年か経って、自分を振り返った時にしっかりと歩いた足跡があって、前を向くと何十回目かの桜がまた花を咲かせているように、自分も成長していくことを信じてコツコツやっていこうと、桜を見上げるたび思います。自然と共に暮らし、自然を巧みに食卓へ取り込んできた日本人。炊き込んだり、添えたり、あしらったり... その感性を伝統食材とともに守っていきたいものです。

海の精ショップ様、この度はありがとうございました!

海の精ショップファンサイト参加中

海の精 桜の花塩漬 ショップページ

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事