昆布は「喜ぶ」に通じるところから、縁起物として親しまれてきました。その昆布なんですが、なんでこんなに日本人に重要視されてきたんでしょうか? そもそも、日本の土壌は大陸と違いミネラル成分が少なくて、野菜からミネラルの補給が難しいため海藻から栄養分をとってきたという背景があります。海中で光合成をして成長する昆布は、まさに海の「野菜」。日本人の歴史とともにその旨味と栄養価が利用されてきたんですね。カロリーが低く、ミネラルやグルタミン酸(旨味成分)が豊富。水溶性食物繊維、フコイダン、アルギン酸、ヨウ素なども豊富に含まれています。もちろん、重要なのはその旨味。

いろいろ取り組んでいきますのでお楽しみに!

「昆布だし」は「かつおだし」のように主張しません。上品な旨味とさまざまな食材との相性の良さから日本食の旨味を世界に発信する裏方を担ってきました。もちろん、昆布にも弱点はあります。煮すぎると海藻臭さが出てしまったり、独特の食味(滑りや独特のとろみ)が出てしまうので水の量や煮込む時間がポイントとなります。基本的には昆布10gに対して水1Lで30分ほど置いたものを、緩やかに沸騰直前まで加熱し、取り出すという作業工程が必要になります。

こんぶ茶ときのこで優しい旨味のきのこ雑炊。鍋料理の〆じゃなくて単発で簡単に作れるのが嬉しい。

昆布を布巾で拭いたり、浸したり、沸騰直前で取り出したり... なんだか面倒ですよね。そこでこんぶ茶、いい仕事します。とはいえ、こんぶ茶は調味料として開発されたものではなく、コーヒーや紅茶のような嗜好品として作られました。詳しい解説は「玉露園」さんのホームページに譲りますが、100年以上も前にインスタント昆布茶を開発し現在まで届けてくれています。オリジナリティあふれるトップメーカーです。僕は昆布だしが欲しいなら、昆布を使えばいい。でも、美味しい昆布だしが欲しいなら玉露園こんぶ茶」という思いが20代の頃からあります。しゃぶしゃぶのように水の浸透圧をコントロールするなら昆布でいいと思います。昆布の旨味を利かせたい、そういう料理(炊き込みご飯、煮物、出汁をメインで利用するさまざまな料理)なら「玉露園こんぶ茶」一択です。こだわりは羅臼昆布を使用していること。これは高級品でキロあたり1万円以上します。ちょっと手が出せません。羅臼昆布が高額で取引される理由は、高品質であることに加え、他の昆布よりも製造工程が多いことが挙げられます。 通常の昆布は「収穫→洗浄→天日干し→選別」を1週間程度で行います。ところが羅臼昆布は天日干しをした後に、夜露で湿らせ伸ばし再び乾かすことを繰り返すため、3週間程度掛かる場合があるんだそうです。手間暇かかっていますね。そもそも昆布が5〜7メートルまで成長するのに2年ほどかかるんですがそこからさらにいろいろな工程を得ないと昆布の形にならないんですね。贅沢な食べ物です。

複雑なだし感を作り出すかつお節とこんぶ茶。お店の味が手軽に作れます! 玉露園こんぶ茶は顆粒だから水にサッと溶けてベース作りも快適です。

そんな昆布の美味しさを身近にもってきてくれたのが玉露園のこんぶ茶です。今回タグも新規に追加させていただきました。「玉露園こんぶ茶委員会」をクリックしてみてください。iketchが過去作ってきた料理に「こんぶ茶」が使われていることがお分かりいただけるかと思います。

さて、常備している昆布茶とは違う「減塩 こんぶ茶」のレシピに取り組んでいくわけですが、どう違うんでしょうか? 原材料は北海道産昆布、ホタテエキス、シイタケエキス... などと表記があります。いつもの赤缶の原材料とは確かに違います。これは楽しみです。かつお出汁と共に和食を支える昆布だし。だし職人iketchがさらなる昆布の美味しさを追求してまいります!

絶品とん茶(とんかつ茶漬け)。とんかつの強い味をこんぶ茶がしっかり受け止めます。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事