3月です。今月も特にテーマは決めてなかったんですが、絞りました。「梅とわさび」で春を待つ、これでいきます。iketchの大好きな食材「梅とわさび」なんですが、皆さんはいかがですか?
「酸っぱいの苦手なんだよな〜」
「わさびのツーンとするのが嫌〜」
そんな声が聞こえてきます。なるほど、確かにそれは特徴の一つですね。で、他には? と問うと意外に次が出てきません。やっぱり、誤解されてるな、と思い今月のテーマとして取り上げさせてもらうことにしました。「梅は酸っぱい、わさびはツーンと辛い」と聞きましたが、梅の美味しい料理を普段口にしますか? わさびの本当の美味しさを知ってらっしゃいますか? とiketchは逆に問いたいんです。「梅とわさび」、日本人の心じゃないですか。紐解いていきましょう、真実を。そんなわけで今月はその2つをメインストリームにやっていきたいと思います。

で、まず「わさび」から。日本の特産で、北海道、本州、四国、九州に分布し、本来は水のきれいな深山の渓谷、渓流に自生しています。野生のものは珍しく、主に静岡県や長野県の清流や涼しい畑で栽培されています。江戸時代から栽培が本格化したと言われていて、江戸時代初期、静岡県有東木において、当地に自生していたわさびを圃場へ移植し、栽培を試みたのが最初で寿司の流行により急激に広まったと言われています。
飛鳥時代の遺跡である飛鳥京跡苑池遺構(現・奈良県明日香村)から出土した木簡に「委佐俾三升(わさびさんしょう)」と書かれており、これがわさびについて記された最古の史料とされているようです。飛鳥時代って... 単純に平安京成立より古いんです。その当時は薬用だったそうですよ。1300年くらい前のことです。
そして現在、わさびは、強力な抗菌作用だけでなく、魚の臭み成分と反応して生臭さを消す作用を持っており、辛み成分は胃を刺激して消化を助け、食欲を駆り立てる効果もあると研究、報告されています。栄養価的には、ビタミンC、カリウム、カルシウムなどが群を抜いて多く含まれ...
「待って、待ってiketch! 蘊蓄はいいから、わさびのツーンとするについて答えてよ!」
ホースラディッシュ(西洋わさび)です。「え?」と思ったんじゃないでしょうか? そうなんです。国産わさびだけで作っていないんですよ。だから、ああいう味になっちゃうんです。多くの方はチューブ入りの製品を買われるのでないでしょうか? 特にチューブ入り廉価品はホースラディッシュの使用量が多いんです「生わさび」と表記されていて¥100前後で売っているものです。だいたい本わさび(国産)を50%以下で含んでいる商品がこれです。皆さん、これ、買ってませんか? ちょっとマシになると「本わさび入り」と書かれた「本わさび」っていうのがあります。これだとプラス¥50〜80くらいの価格帯ですかね。これはマイルド感がやや出ますが、実感としてはあんまり変わらないかな〜 とIketch的には思います。で、これも本わさび50%以下の代物です。お高いんですが、美味しい刺身、寿司を食べるならぜひ検討していただきたいのが「〇〇県産本わさび使用 本わさび」です。実は本わさびを50%以上使用していないと「本わさび(本わさび使用)」を名乗れません。「本わさび(本わさび入り)」と書かれているものはだいたいハズレです。

なんでこんなことになったかというと、本わさびは収穫までに2年かかるからなんです。だから使用量が多くなれば必然的に価格に反映されちゃうってことです.脂のりのよいマグロとかなら安いわさびで十分なんですが、白身魚の刺身、日本そばはいいわさび使ってください。桁外れに味の差が出ます。そんなわけで、iketchはこの度美味いわさびを求めて「伊豆国」へ行ってまいりました。師であり、調理師の先輩であり、姉だった姐さんの就業地、静岡県。今回は熱海、伊豆、三島と巡り「美味いわさび」を求めて流離います。
