焼きそば... 縁日の屋台なんかで無性に食べたくなるあの味。食欲そそる香ばしいソースの香り。割り箸でがっつきたくなる焼きそばを今回は紹介します。僕が店長(当時24歳)になって、お客様に初めて褒めていただいた思い出の料理なんです。その日、厨房を担当していた自分なんですが、フロアを任せていた主任が「店長、お客様がお呼びです」なんて呼び出してきました。まぁ、こんな時はクレームか喧嘩がほとんどなんで、厨房エプロンを外してお客様のテーブルに向かいました。30代後半くらいのお客様はいい感じで酔っていて「あなた店長さん?」なんて絡んでくる。焼きそばを箸に挟んだまま「これあなたが作ったの?」と続けてきました。勢いの速さにちょっと押されながら「...はい」と頷いて、異物でも入っていたかなと、キャップを脱いでお詫びしようとしたら「忙しいところごめんね、この焼きそばめちゃくちゃ美味くってさ!」なんて上機嫌。「俺、夜店で屋台とか出してんだけどさ、これ(焼きそば)すげぇうまいよ。俺のより全然美味い、俺廃業するわ」なんて、お連れさまとご満悦の様子、僕は苦笑い。なんだよ、怒られるかと思った(汗)。その後、店が変わってもなぜか焼きそばは褒められるんですよね。別にそばを焼いただけだし、ソースは普通の市販品ですよ。だとしたら、調理方法なんじゃないかと思います。マニュアルって感覚的なことは一切書いてませんから、例えば強火で3分とあればその通りにしか調理できません。実際には3分を目安に仕上げるくらいです。で、自分の手順を振り返ってみると焼きそば用の麺をフライパンの上で「焼いている」んです。まず肉、野菜と炒めてフライパンの手前に寄せます。次に30秒レンジアップした焼きそば麺を動かさずに狐色の焼き目がつくまで焼いて、反対側も焼きます。酒でほぐして野菜を巻き込みつつソースで仕上げます。それで、皿に麺、具材と盛って、刻み海苔と紅生姜で完成です。トータル3分30秒くらい、常時強火です。焼きそばは動かしちゃダメです。しっかり焼いて具とソースを絡めると美味しいです。やっぱり、焼きそばはカリッとモチっとしてなきゃ!

ポイントはしっかり麺を焼くこと!

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