大学時代に過ごした京都から、郷土料理の肉豆腐を紹介します。何故、このタイミングなのかといえば美味しい日本酒が手に入ったからなんです。美味い冷酒に煮込み料理は外さないやつです。普段は発泡酒や缶チューハイ、まれにビールや日本酒という感じなんですが、安酒には安酒の、良い酒には良い酒に合う料理があります。そんなわけでの肉豆腐です。肉豆腐は、牛肉と豆腐、ねぎを煮たシンプルな料理。ねぎは、京の伝統野菜「九条ねぎ」が使われることが多いです。九条ねぎの特徴は、緑の葉 を食べる葉ねぎ(青ねぎ)であること。771年、伏見稲荷神社建立の際に、秦伊呂具(はたのいろぐ)が浪速から取り寄せたねぎを植えたのが発祥とされています。種は代々、農家によって受け継がれ、守られてきたそうです。このような経緯から「葉ねぎの王様」とも謳われています。一説によると、平安時代の九条付近で良質なねぎが栽培されていたことが名前の由来と伝えられています。(農林水産省ホームページ「うちの郷土料理」より)。郷土料理再現の難しいところは「独自の食材」を使うことだと思います。そこで僕はポイントを定めて、その料理が何を伝えたいのかを探ります。この場合だと、牛肉、豆腐の美味しさと九条ネギの甘さということになります。京都の牛肉食文化は1300年くらいまで遡ります。つまり、美味い牛肉があった土地だった、料理が作られた土地だったということわかります。豆腐屋さんも老舗が多い。京都の軟水は豆腐を作るのに適しているため至る所で旨い「湯豆腐」が食べられます。美味い豆腐があった土地だったということです。九条ねぎはご承知の通り、緑色のねぎで甘みが際立っています。これらを表現できないといけないわけです、スーパーの食材で。テーマ「肉の旨味、豆腐の滑らかさ、ねぎの甘さの表現」これでいきます。国産牛(銘柄牛ではない)の脂多めを脂抜きして適度なコクと柔らかさを残し、木綿豆腐はしっかり水抜きをし味を染み込ませます、一般的に入手できるねぎの緑色の部分は甘みにかけますので、白ねぎを1.5倍使用することで甘みを出していきます。さぁ、どうでしょう! いいじゃないですか、スーパーの食材で挑む肉豆腐。美味しくできました!

比企郡小川町の銘酒「帝松」で知られる松岡醸造株式会社様の「純米」。旨味とコクに溢れた味わいで肉豆腐とベストマッチです。

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