美味しい酒は「メーカー関係なく、美味しい」と言い張れるiketchです。不定期で過去から現在に至るまでのいろいろなお酒を紹介している(サワーの素も含めて)んですが、KIRINさんとSUNTORYさんでそれぞれ気になった商品が発売されたのでレビューします。

まず、KIRIN「35年目の新、一番搾り」なんですが、いいですね。旨みとキレに寄せましたか。コクは軽いんですが麦の旨みが口内に上品に広がります。後味もいい。ポテトチップとかやんちゃなおつまみはどうかと思うんですが、いわゆる和食なら自信を持って「お客様」にお勧めできます。黒ラベルのような重さもなく、ドライにも偏らないKIRINらしさが出てるじゃないですか! 食事を邪魔しないのに感じるビール感、すごい美味しい! うんうん、一番搾り麦汁感出てます。原点回帰だと思います。キリンドラフトマネジャーの僕としても胸張れるビールですね! 時代に合わせて進化し、深化する、日本人に受け入れられる「ザ、ビール」に成長しました。嬉しい限りです。美味しい泡を想起させるデザインも大好きです。

さてさて、SUNTORY「キンムギサワー」なんですが、どうしたどうした!? 期待してたんだけどなぁ... 確かに「これまでにない新しい味わい」なんですけど、「食事を美味しくする」というのはどうなんだろう? どういう食事を想定しているんだろうと、少し考えました。クリアでほんのりレモン感が漂うサワーテイスト発泡酒なんですが「だったら、こだわり酒場のレモンサワー」でよくない? と思うわけです。味わいがわかりやすいから料理を前もって考察できるわけです。ビールが飲みたければ「プレモルあるでしょ」って感じです。

まずね(唐突)、金麦の良さが活かせてない、と感じました。金麦は春夏秋冬季節に合わせて麦芽の配分を変え、その季節に美味しい発泡酒を届けてくれます。そんな訳で僕が自分の料理に合わせるお酒として愛飲しています。だから、前述の「どうした、どうした、天然水のビール工場!」と思いました。「レモン風味、いるか〜?」と思うわけです。失礼を承知で申し上げますが「せっかくの美味しい金麦に、レモン風味を乗せて、炭酸で薄くした飲み物です」。

難しいですよね。消費者のニーズ、ウォンツに応えるって。

僕はビール初心者には「KIRIN 一番搾り」と「SUNTORY プレミアムモルツ」を勧めています。「ビールって何から始めたらいいの?」に対する僕なりの回答です。一番絞りは雑味のないクリアで軽いコクながら「日本のビール(日本酒)」を感じさせてくれる逸品です。和食に合い、料理の高価安価、老若男女を問わず、日本人なら好きになるこだわりを見せつけてくれるビールと確信します。一方プレミアムモルツは「日本人が到達したビール(ビール)」です。ビール作るならこれを目指してください、という逸品です。うまい料理ならなんでも合いますが、基本「つまみはいらない」ビールです。これ、すごいなと思います。最初の一口目に感じる深くて重いビール感が、飲んだ数秒後スゥッと消えていく。これ、最初に飲んだ時に驚きました。ビールって苦味が口の中に残るものなんですが、それがない。確かめたくて、もう一口、もう一口と飲んでいる間に缶は空になっている、つまみなしで「ビールの力で、ビールを飲ませてくれている」んです。でも、麦芽、ホップ、天然水以上、なんですよ。「サントリーさんの技術力って、ヤバい」と思いました。

日本の市場はマーチャンダイジングというよりはマーケティング。前者はお客様が企業に求め実現する製品で後者は企業側がお客様に「こういうのはいかがですか?」と提案する製品です。どっちかというと「感」で売り出す感じだから、そりゃ難しいと思います。このブログを見ていらっしゃる方もそういう企業にお勤めになっている訳です。「庶民の感覚を忘れないでほしい、素朴な感性を大事にしてほしい」と思います。何を飲みたいかのヒントは今の私たちのライフスタイルに答えがあるはずなんです。ずいぶん偉そうに言いましたけど、KIRINさんもSUNTORYさんも大好きな企業です。これからも素晴らしい商品、忘れられない商品の開発を期待してやみません。酒好きブロガーiketchでした!

ちょっとデザインがキンミヤ意識してませんか? 厳しいレビューでしたが、単発での爽快感は流石のサントリーさんです! レモンを浮かべたホッピーのような、でももっとコクのあるテイストでカジュアルに楽しめるアルコール飲料だと思います!

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