チーズやパティのように個数当たりのグラムや形状が明確なものって調理する際にコントロールしやすいんですが、魚の切り身や天ぷらの野菜タネなんかが本当に難しいです。形も大きさも色もまちまちで、個数やグラムがマニュアル化されていてもそれを守れない。見栄えが悪くちゃだせません。お客さんにはいいものを出したい。美味しそうに見せたい。喜んで欲しい、正直そう思います。もちろん、食べ物だから食べて美味しいのは絶対条件なんですが目の前に置かれた時の綺麗さ(美味しそうな見た目)、音(パチパチ、ジュワー)、これも本当に大切に思います。食感、味、喉越し、余韻なんてそのあとですものね。
今回はスーパーでいつも安く売られている「正直、厳しい見た目の柵」を捌いてみました。鰹はいびつで急に先細りしてしまう尻尾のほう、びんちょうマグロも同じで尻尾の方なんですが筋がやや多い。いかがでしょうか、少しは美味しそうに見えますか? 鰹は大胆に前の方を幅広に、残りをブツにして土台にしてあります。びんちょうは筋を断つそぎ切りにして立体的に見せ、燃える炎のようにあしらいました。 ....まぁ、お客さんには出さないけど、自分で食べるなら賄いレベルでアリかなと思います。皆さんのヒントになりますように。