僕が小学校の頃、給食でソフト麺という奇妙な食べ物がありました。平成後期になると、ソフト麺を作る機械や工場が老朽化し、 さらに給食室の設備が整ってきたことから乾麺を茹でたり冷凍麺を使ったりする方向にシフトする学校が増え、ソフト麺の需要は減っていきました。原料としては小麦粉に塩、それに小麦タンパクというのを加えて製麺するんだそうです。正確には「うどん」ではなく「スパゲティ」に分類されるんだとか。
2024年3月、山形県において56年間にわたり製造してきた鈴木製麺(山形市)が3月で廃業することから、工場がある天童市では21日が提供最終日となったという話題がニュースになっていました。なんだか寂しいですね。じゃ、ソフト麺っていうのは美味しいかっていうとそんなに旨いものじゃないんですよね、普通のコシがある麺と比べると。「棒状の、あるいは麺状の何か」であって、麺料理の麺とは言い難いシロモノでした。
「こいつ、湯がくとソフト麺ぐらいの太さになるなぁ」
なんて2.2ミリ(くどい)を見つめながら思いました。もちろん、コシが段違いなので当たり前に作ったらそりゃ美味しくない。そこでコイツを煮込みながら、スープパスタにしてやろうと思ったわけです。前回の「居酒屋鉄鍋ナポリタン」はまぁ、多分美味しくなるだろうと予測できたのですが、今回は未知数。スープパスタとしてオーソドックスなキャベツとベーコンを使ったコンソメ仕立てのパスタならワンチャンあるな、と思いやってみました。

「どうせ16分茹でて、あのコシなんだから30分茹でても食えるだろ(そんな言い方はいけません)」
で、結果は...
「懐かし〜い、これ、大人の給食だ!」
笑顔になりました! これ今までの中で一番ありかもしれません。もちろん、ナポリタンもおすすめなんですが、こっちもいい勝負してますよ! 柔らかく煮込んで塩の溶け出した茹で湯にコンソメと塩胡椒で味付けしただけです。ちょっとオリーブオイルを垂らしましたが、これこそシンプルイズベストの極みという一品になりました。この手のスープパスタは麺が細すぎると食べ応えがなく、食べ終えても満足感が残りません(ソーメンとか冷麦みたいな感じです)。で、太くすれば口の中で麺が暴れて前回「ペペロンチーノ」の時のような事故を起こします。食べ応えはありますが。
柔らかめにゆでた2.2ミリとコンソメ、キャベツ、ベーコンの塩味と旨み、これでいいんじゃないの? という結論です。多分ないとは思いますが、普段使わない食材は気をつけて購入しましょうね。ロマネスコとか、かんずりとか、今回の太麺とか... 相当知恵を絞らないといけない事態におちいります(とはいえ、iketchは楽しんでますが)。今回の発見は「少ない具材のスープパスタなのに、満足いく一品」でした!





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