お店のまかないでもよく作る「おろし汁」なんですが、その独特の食感と喉越しで食べるものを俄然美味しくします。口当たりが柔らかいのでサクサクした天ぷらや、旨みや油を吸ったなすなんかとも相性が良くて、食べ終わった後もさっぱり感が口に残ります。この時期にはとても救われる大根おろしなんですが、今回はそれを「つけ汁うどん」で食べるレシピとして紹介します。9月に半ばを過ぎたとはいえ、中々翳りを見せない暑さですが、もうすぐ終わるはず。夏の魔物、最後の咆哮に立ち向かっていきましょう! ということで、今回「季節の天ぷら(秋茄子、舞茸、さつまいも)」を加えてなめこおろしうどんを紹介していきます。

桜井商店さんの武蔵野生うどん、自家製なめこ汁と群馬県産辛味大根のおろし、さつまいも、舞茸、茄子の天ぷらという構成です。

今回は難しいことは言いませんし、しません。さっくり、簡単にいきましょう。麺つゆ、市販のうどんを例によって遠慮なく使っていきます。天たねからは千葉県産のさつまいも、新潟県産の舞茸、埼玉からは小ぶりの地場産なすが参戦です。

いただきましょう、秋の味覚。外はサクッと中はホクホクさつまいもの天ぷらを筆頭に、舞茸、ナスが後ろに控えてます。

天ぷらをうどんのつけ汁に浸して食べると、当然、つけ汁は脂がうきますが味わいがマイルドになります。普通のもり(ざる)うどんは味がシャープなんですが、打って変わって食べやすくなるんです。まさに秋にはもってこいの味わいとなります。もちもちうどんとサクサク野菜の天ぷらを交互に味わってみてください。今回は辛味大根が手に入ったんで鬼おろし(皮ごとおろす)にしてみたんですが、普通の大根で全然構いません。美味しく召し上がれると思います。

群馬県産辛味大根が入手できたのはラッキーでした。これ、わさびのような辛さがする大根です。

僕が子供の頃には季節の変わり目というのが段階を踏んでいて、夏から秋に雲の形が変わったり、朝夕が気持ち過ごしやすくなったりとうっすらグラデーションのように移り変わっていく様子が感じられました。昨今は地球温暖化の影響もあり突然暑くなったり、寒くなったりします。今年も蝉の鳴き声をあまり聞くことはありませんでした。気配もなく冬が訪れるって、なんか寂しいですよね。

蕎麦も美味しい練馬桜井商店さんの生うどん。細身ですがコシがあって実に美味しいうどんです。
鬼おろしを溶かした自家製なめこ汁でズルルッといっちゃいましょう!
塩でもいいんですが、ここは是非おろしなめこ汁に浸して召し上がってください。うどんはマイルドに、天たねはキリッとシャープな味わいで甘さの輪郭が際立ちます。

乗り切った夏を振り返りながら、短い秋を楽しみ、寒い冬に備え、春の到来を待つ... こんな自分でいたいと思いました。その間に何人の人にレシピを届けられるだろう、仲間やお客様を笑顔にできるだろう、色々考えさせられました。夏か冬の二択ではなく、四つの季節に彩られる国、日本。来月は「だし強化月間」、再来月は「和食月間」とこのブログも続いていきます。

オレンジ色に色づく季節の中で大好きなジャズを聴き、美味しいお酒を嗜みながらそんなことを思う、iketchでした。

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