「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」江戸時代の句にもあるとおり、カツオは初夏に食べる縁起のいい初物として昔から重宝されてきました。面白いことに旬が2回あり、初鰹と秋の戻り鰹では、味わいや風味に違いがあるんです。最近では、冷凍技術の発達によって初夏でも脂ののった戻り鰹が食べられるようになりましたが、やはり、初鰹はプリプリの美味しさを感じたいもの。でも、鰹ってすごい魚ですよね。日本人のDNAに刻まれているとしか思えないほど古来からの付き合いが長いパートナーです。普段知らずに口にしているそのだし、鰹節、あらゆる食材の陰日向となって私たちに愛される「鰹」文化、大事にしていきたいものです。

今回はその「プリプリ」感を活かしての竜田揚げを紹介します。よく「鰹は臭うから...」と言われました。正直、新鮮な鰹なら匂いは気になりません。他の魚もそうなんですが、匂いではなく「磯の香り」として認識されます。エイジング(酸化)が進むと魚だけでなく、肉も魚も状態が変わるもの。美味しくなるものもあれば、そうでなくなるものもあります。魚の場合は後者、香りが臭いへと変わっていきます。初鰹とはいえ、スーパー、車の中、家の冷蔵庫、調理直前と環境(特に温度)が変われば、酸化は著しく進みます。そこでやはり軽く匂いを抑える一仕事が鰹には必要です。「どうするの、iketch?」 お任せください、美味しく漬け込んで旬の美味しさいただきましょう。鰹は日本人の力の源。和の柱。だし職人の一品、どうぞご賞味ください!

竜田揚げにしても鰹は強い味です。キャベツの千切りに大葉の千切りを巻き込んだ付け合わせ、たっぷりのレモン果汁を加えてやります。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事