えらいことになってきました。お店での米仕入れ価格は現状3ヶ月前の倍。現在は備蓄米が放出されましたし、ブランド米も店頭に並び始めたものの法外な値段がつけられています。卸しが売り抜きたいんでしょうね。つまり、お米はあったってことなんですけど。当然、各企業も対策を進めていたわけです。政治の話は趣旨が違うのでしませんけれど、今回買った「USAカリフォルニア産米」もそういった流れで店頭に並んだのかもしれません。

「USAカリフォルニア産米」。心配なのはその味と品質。日本のお米と棲み分けできるならいいんです(米にこだわりがある人はそもそも当たり前に日本産を買うんでしょうが)。iketchには棲み分けできない気がします。どっちかが駆逐される。だから万が一、日本産の安価な米と条件が変わらないとしたら量が欲しい飲食店、ブランドを気にしないコンシューマーがUSA産を選択肢に入れるんじゃないかって考えました。これじゃ日本の農家が大変なことになります。検証しなければ、です。

米騒動は歴史の教科書でも学んだ通りです。米が農民、庶民の生活と一体化していましたから古くから大きな争いが起こり、それこそ教科書に載るような事態に陥っています。面白いですよねというと不謹慎なんですが、日本って革命とかは起きないのに「米騒動は起きる」国なんです。基盤が安定している国家だからこそ「日常の生活に危機が及ぶなら戦わなければ」と国民はちゃんとわかってるってことです。1993年(平成5年)夏、低温と長雨による天候不順のため、コメが記録的な生育不良に陥りました。 全国的にコメが不足した「平成の米騒動」です。 全国の作況指数は平年を100として「74」。 まれに見る不作に見舞われました。当時タイなどから緊急でインディカ種の白米が輸入されたものの「不味くて食えない」と国民から非難轟々だったんです。日本人の醜さがちょっと見えた気がして鬱になりましたよ。助けてくれている、その国の人たちは日常に食べている米を多くの日本国民が「不味い」と言っていました。おもてなしの国JAPANがですよ。失礼極まりないじゃありませんか。でも、事実です。僕もルーツは農家ですから正直「あ、これ日本人には厳しいな」って思いましたもん。

米も尖ってないし、見かけは普通のご飯なんですが、日本米と違い浸漬なしだと旨みをほとんど感じません。

もう、それくらい米は日本人の魂なんです。酒飲みiketchだって美味い料理に「白ごはん」は大好きです。「USAカリフォルニア産米」を恐る恐る開封してみることにしました。もちろん、非難するつもりはありませんし、逆に推奨するつもりもありません。あくまで感想です。

検証方法は「急いで炊かざるを得なかったシチュエーション」と「しっかり浸漬して炊き上げたシチュエーション」でやってみることにしました。前者では米を洗米し、時間をおかずに炊飯器に入れスイッチを押しました。炊き上がり後すぐシャリ切りを行いおかずなしで、そのまま食べてみました(水は気持ち多めです)。結果...

「米とは違う妙な甘みを感じる。食感は軽く、もっちりした感じはほとんどない。」

でした。お店だったら「廃棄」するレベルの米です。チャーハンにも雑炊にも使えません。「日本人の好きな米感がない」からです。なんか、米状の何かを食べている感じでした。次は後者、しっかり浸漬(45分)して炊飯しました。結果...

これならアリかも。浸漬したぶんしっとりしていて食べやすいです。でも、味噌汁、漬物だけの食事だとご飯感は乏しく感じます。おかずが助けてあげないといけないレベルです。

「やっぱり米とは違う妙な甘みを感じる。食感は軽いが、もっちりした感じは出ない。ただ、しっとり感は出て食べやすくはなった」

でした。白米の甘みがダイレクトに出過ぎちゃうのはアミロースやアミロペクチンの形成と密度などが影響しているのかもしれませんね。軽いんだけど、必要なのは適度な「重さ」。ご飯を食べた感だと思うんです。だから、不味くはないんだけど、日常的には「物足りなさ」を感じます。ちょっとホッとしました。大丈夫、日本人なら(アメリカの農家さんには悪いけど)これは選択しないです。どうなんだろ、気候のせいで一気に米が育つからこうなるのかな? 長い時間をかけて、台風や日照り、寒さから農家の人たちが守り抜いて育てたお米。お米にしてみれば波乱万丈の人生を生きて白米となった姿。それこそが日本人に受け入れられる「美味しいお米」なんじゃないでしょうか? 新米も出回りますし、まだ予断は許しませんが良心ある日本人が「普段の状態」にお米を戻してくれると信じて「USAカリフォルニア産米」の処理方法を考えたいと思います。

不味くはないけど、旨くはないという微妙な立ち位置ですかね。色々検証していきたいと思います。

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