さて、今回の「和食月間2024EX」なんですが、様々な旨いものを飯に乗っけたり、飯にあうおかずにしたりをテーマにお届けしようと思っています。ところが、引き出しの少なさよ(泣)。iketchのカバーする料理は酒や麺に寄り添うスタイルです。姐さんのように板さんならもっと上手にできるんでしょうが、自分は力不足、勉強不足。でも、嘆いていても、言い訳してても始まらないじゃないですか。学びましょう、今からでも。祖母から梅干しや、漬物、がめ煮などちゃんと習っておけばよかった、姐さんから和食のいろはを学んでおけばよかったと思いますよ。失敗を後悔に変えない、反省を成功に導く礎にしようとiketchは当時40歳をすぎてから思いました。「美味しいものを残していきたい、明日の活力になるものを残していきたい」、このブログにはそういう思いもこめています。

いよいよ登場です。明治時代以降「和食」のムーブメントを担った「牛丼」。柔らかなお肉、適度な食感と甘味の玉ねぎ、深い味わいの煮汁に爽やかな茗荷と大葉が香ります!

明治28年創業「日本橋人形町 今半」。肉を知り、葱を知り、割下を知り、米を知る今半さんに「本当に旨い牛丼」を教えていただきましょう。プレジデントムック「技あり! dancyu どんぶり/2019」に極意が書いてありました。

1:肉は霜降りを選べ

2:煮だれは計量、余さず使え

3:肉は煮すぎるな

すごいシンプルだけど、ダメな方を選択しちゃう僕らですよね。「肉は高いからこれでいいかとか、煮だれは適当でいいかとか、しっかり煮込んだからこれでいいかとか。」 やっぱり、違うみたいですね。「赤身肉は煮ると固くなる、もしもも肉を使うなら薄くカットしろ」とか、「肉汁の肉だれへの流出を最小限にとどめつつ旨みを十分に移す」とか、「肉と玉ねぎは火の入り方が違うから玉ねぎからは旨みを引き出すように、肉には火を入れすぎないように」とか、とにかく他の料理に対しても応用が効く(というか、基本)ことを創業120年守り続けているんですね。これですよ、大事なことって。

「ポイントは、使う肉が霜降りか赤身かによって、入れる肉の量が変わることですね。赤身の肉だと火を入れると縮むので、2割多めの100gにしてください(人形町今半本店料理長/沼田信義さん)」

すごいですよね。さらっと「肉を見て判断しなさい」って言ってるんですよ。これで120年続く変わらない味を守り続けるんです。記事を読んでて放心状態になりました、iketchは。これが、本気の「旨いもの」です。それを守って作ってみました。もちろん、沼田さんが教えるようになっていないかしれません。ただ、出来上がった牛丼は、今までiketchが作ったどの牛丼とも違うものでした。

孤独のグルメで主人公がうまい肉を食べて「なんだか(うますぎて)笑えてくるな」と言っていたのを思い出しました。そう、うますぎると「笑えてくるんです」。美味い素材を使って上手くなるように作ったから。美味いに決まってるから。

なんか、にやけてきました。もちろん、過去に作った牛丼は否定しないし、あのレシピで今後も作ることでしょう。けれど今後の僕の「肉の選び方や、調理方法は変わる」んじゃないかと思います。安い肉と高い肉の火の通りは当然違いますし、仕上がりも違います。煮だれもその時の牛肉の量でまちまちでしょう。「煮すぎない」ってのが難しいこともあるかと思います。それでも、今半さんの牛丼を道標に、iketchは牛丼を作っていくと思います。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事