美味しい料理は、美味しいものを作れる人に学ぶ、ってのがiketchのセオリー。当たり前のことなんですが、意外に忘れがちなんですよね。美味しい米は米屋に聞く、うまい出汁の材料は鰹節屋に聞く、ずっとこの年までしてきたし、これからもしていきます。今回はまず、魚屋に聞く訳です。うまい魚を。

鰹といえば5月~6月が旬の「初カツオ」なんですが、9月中旬から10月下旬にかけて三陸沖から房総半島に南下してくるものが「戻りカツオ」です。戻りカツオは、7月~8月に三陸北部から北海道南部まで北上し、太平洋のプランクトンや小魚をたっぷり食べたあとで南下してくるため脂肪がのりきった濃厚な味わいがあり、食通の間では昔から珍重されています。タンパク質が多く、血合いの部分はビタミンA・B1・B2・B12や鉄分のほかEPA、DHAが多く含まれ、栄養満点で旬の味を堪能できるとのこと。じゃあこれ使っていきましょう、ベースは決まりました。次は調理方法です。今回は「赤坂まるしげ」さんのレシピ「かつおの漬け丼」(プレジデントムック/技あり!dancyu2019)からレシピを引用します。

濃厚でビビッドな味付けだから酒も、ご飯もしっかり美味しい! 薬味ネギと大葉千切り、白胡麻と海苔が実にいい仕事をします。

「うちは居酒屋なのでご飯屋さんのどんとは違い、お酒が呑める丼です。見た目は似ていてもどこかお酒に合わせた呑み屋テイストがはいっていますから、呑みながら食べるのにうってつけなんです」と語る店主小久保茂紀さん。iketch流はわさびや、みりん、だしを多用していきますが、まるしげ流は「卵黄からし醬油」で濃厚な旨味とコクを出していくとのこと。

僕も元々麺、和食の人なんで敢えてご飯ものは定食屋、飯屋のレシピを紹介してきているんですが、お酒に合う飯って濃厚だったり食感が独特だったりしますよね。「なるほど、つまみの技術をご飯に乗っけていくのか〜」 だから漬け込む調味料も違っていたり、短時間で味が決まったりするんですね。思わず「ほほ〜っ」と笑顔になりました。居酒屋が旨い酒に合わせたい丼、作ってみたいですよね! 教えて、赤坂まるしげさん!

「和芥子に醬油か〜 それを鰹に絡めていくんだ!」 過去記事納豆まぐろを紹介しましたが、あれぐらいインパクトのある味わいの丼になりました。でも、破綻していないのは薬味の力もそうですが、卵黄の力が大きいと思います。こりゃ旨い!

iketchとして学んだことは「もっと、自分の料理に居酒屋色を出していいんじゃないか?」でした今回の漬けだれは明らかに「酒」を誘ってます(笑)。お家なら焼酎なんかと合わせるといいな。お食事ならこれに海藻たっぷりのサラダや出汁を効かせた優しい味わいの味噌汁におしんこを添えるとバランスが取れそうです。ありがとうございました、赤坂まるしげさん。勉強になりました!

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