「先付け」とは、あらかじめコース料理の中に組み込まれている一番最初の料理です。
「先付け」の由来は懐石料理からきていて、なますやお造りをご飯と汁物の奥側である向こうに付けた物として「向付け」といいます。 その「向付け」より先に出される料理から「先付け」と呼ぶようになったといわれています。懐石料理の派生で会席料理が始まったとされており、懐石料理の名残で会席料理における最初の料理を「先付け」と呼びます。

と、まあ、これは懐石料理の一般的な知識で、大切なことはこれが「先鋒」であり、「これから始まる懐石料理(コース料理)の成否を決めるという事実なんです。お通しに似ていますね(過去ブログ/「お通しに物申す!」で検索)。実は僕も職場で「先付け」の担当をやってまして、香りの立ち方、量、見栄え、彩り、を考えながら調整を行なっています。一番は見栄えで、料理長と色々意見を交わすところです。「まず里芋煮を食べてもらいたい」とその盛り付けにすると料理長が「いや、菜の花をここに、里芋はここに」と調整が入ったりします。なるほどと思うこともあれば、いや、ここはこの方が自然なんじゃないか? と葛藤に苦しむ時もあります。

居酒屋コースの一品で出される「先付け」ごとき(失礼)で、何を本気になってるんだよと思うかもしれませんが、「料理人は全ての料理に本気なんです」。季節を感じてほしい、美味さに酔って欲しい、これから出てくるお料理を楽しみにしていてほしいと思っているから、こだわるし時には喧嘩もします。僕もかつて料理長と「せり」にするか「菜の花」でいくかでマネジャーを巻き込んで大喧嘩しました。

「なんで、そんなことで」
と思うかもしれませんが、こちとら料理と向き合って26年です。妥協しません。「粋、妙」を味わってほしいんです。
今回は正直、しんどかったです。真似してくれとは言いません。何かのヒントになればいいな、と玉露園お徳用梅こんぶ茶の力をお借りして「春を待つ、先付け」を作ってみました。器の中に広がる日本の春。感じてください。ブログでも仕事でも全力でいきたい、iketchでした。
春の先付けレシピ(おまけ)
海鮮つみれと里芋の梅煮:玉露園梅こんぶ茶大1、水400ml、薄口醤油小1、みりん小1、冷凍里芋3個、海鮮つみれ(市販品)3個 (作り方)手鍋に水を入れ中火で加熱し、沸騰直前で止めて梅こんぶ茶、薄口醤油、みりんを入れ解凍した里芋、つみれを入れて再沸騰させる。煮立つ前に止め、粗熱を取り冷蔵庫で半日寝かせて完成。
石垣貝と筍の旨煮:白だし50ml、水400ml、薄口醤油小1、みりん小2、石垣貝3粒、姫たけ3本 (作り方)手鍋に水を入れ中火で加熱し、沸騰直前で止めて白だし、薄口醤油、みりんを入れて沸騰させる。その後、菜の花お浸し用に100ml別の器に取り置く。石垣貝、筍を入れて再沸騰させる。煮立つ前に止め、粗熱を取り冷蔵庫で半日寝かせて完成。
菜の花のお浸し:菜の花3本、石垣貝と筍の旨煮だし100ml (作り方)手鍋に1000mlの水と塩3gを入れ沸騰させる。その後洗浄した菜の花を入れ1分間加熱し、すぐ冷水にとる。軽く水を絞って旨煮だしに浸して半日寝かせて完成。
だし巻き玉子:過去ブログを参照してください。
炊き地(スープ)はそのまま吸い地として使えますので集まる方々のニーズに合わせて梅味、醤油味を選んでください。

提供:玉露園ファンコミュニティ
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