関西地方にいた時にはよく食べたたこ焼き。似たようなものだと思っていたら兵庫出身の友人に「全然違う」と指摘されたんですね。たこが入っているのは明石焼きが元祖なんだそうです。その時はさらっと流したんですが、大人になって色々調べてみると、確かに根本的に違うんですよね。
明石観光協会によると「昭和初期、大阪ではラジオ焼と呼ばれる、小麦粉を主体とする生地にコンニャクとスジ肉を入れて焼いたものが食べられていました。あるラジオ焼のお店が、訪れた客の「明石ではタコが入っている」という一言にヒントを得てタコ入りのラジオ焼を作ったところ、瞬く間に大人気に。たこ焼きとして全国に広まっていきました。」とのことです。明石焼きは具材がタコのみで副材料として小麦粉を使うんですが少量です。出汁につけて食べるのが特徴で地元では「卵焼き」で通るんだそうです。一方のたこ焼きは紅生姜やこんにゃく、牛すじなどの副材が使われた粉物料理の一つでタコも後々に取り入れられた具材の一つ。ソースをかけて食べるのが特徴で、ラジオ焼きのバリエだったわけです。当然、似てはいますが、食感も味わいも決定的に違います。卵料理か小麦粉料理かということなんです。
とはいえ、明石焼きを自宅で作るのはいささか難易度が高く、銅板の明石焼き器やじん粉(小麦粉の澱粉)など必要なものが多々あります。兵庫県の皆様には失礼いたしますが、ふわっとした食感や、旨いだし汁をフォーカスした「明石焼き風」ということでお許しいただければと思います。
「お、他県の人がなんかやってるな(笑) 明石焼きはこっちに来て食べなよ!」
なんて笑われそうです。笑ってくださいな。埼玉エリア玉露園こんぶ茶委員長兼だし職人iketch(だから、長いって!)渾身の一品をご堪能ください。明石焼きの素にもだしにも仕掛けを施しましたから。
「お... おう!(驚き)」
となること請け合いです。ふわふわ食感の再現と、旨いだしのジュワッと感があればいけんべ! 今あるもので、今できることを一生懸命にやってみました。明石焼きを頬張って、さ、スマイルスマイル! 心も体も温めていきましょ!