滑らかな口当たりと柔らかな杏の香り、冷たい喉越しでお馴染みの「杏仁豆腐」。宮廷料理の最高峰「満漢全席」のトリを飾り王様のデザートとしても供された「杏仁豆腐」って、実は薬膳料理だったんですね。もともと中国は医食同源の大先輩。身体に良くて、美味しい多くの料理が中国から伝わってきました。「杏仁豆腐」は咳、喘息の治療薬として使われる杏の種の「仁」を粉末状にしたもの(杏仁霜)を、苦味を消すために甘くして服用しやすくした料理だったそうです。切ってフルーツなどをのせて食べやすくしたものや、アーモンドエッセンス・バニラエッセンスを加えて風味豊かに仕上げた香港式が日本では主流です。デザートなのに漢方薬とは... 日本では大正時代にデザートとして認知されていたそうです。1970年代頃からはカットした「杏仁豆腐」をフルーツなどとあえてフルーツポンチスタイルで広まっていました。現在はプリン状の滑らかなものが主流ですよね。今日ご紹介するのは生クリームなどを用いないスタンダードなものになります。スタイルは現代風に仕立てました。今時のデザートの濃厚さには全く及びませんが、本来はお口直し。濃い料理の後にさっぱり涼味な中華デザートはいかがですか?

杏と牛乳の風味が口の中いっぱいに広がる、優しい味わい。

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