製麺からやってると「いつも美味しいうどんや蕎麦が食べられていいですね」なんて言われました。まぁいつも食べているわけではないですが、食べ慣れしてしまうものです。よくカレーうどんや立ち食い蕎麦、うどんっぽいものも紹介してますように「これでいいんだよ!」ってのが食べたくなります。もちろん、仕事でやってる時は妥協できませんからガチガチの本気麺で勝負するんですが、どん兵衛や立ち食いの蕎麦が恋しくなる時があります。なんなんでしょうかね、これは。おそらく今の麺よりも先に出会い、人生の一部を支えてくれたからなんだと思っています。一人で出張、駅のホーム、細かい雪、夜。いってからの行動、挨拶、仕事、出会う人々。これから展開する物語は希望と不安に満ち溢れていたりします。そんな思いとともに食べる食事ってやはり特別で、心にどこか残っていくものなんだと思います。安っぽい器に熱々のつゆとうどん。冷めてしまった作り置きの天ぷらに染みてゆくつゆの旨味と香り。ワンコインで食べられるうどんや蕎麦には心細い自分を温めてくれる優しさと温かさがある。

出来合いの天ぷら、ネギ、つゆ、うどん。1玉¥40くらいのうどんでもバッチリ旨い。
なんの特徴もないのだけれど、心と胃袋を満たす旨い1杯が、ここにある。

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