「塩鯖のあらと大根を使った潮汁で、船場で古くから家庭料理として親しまれてきた。鯖のだしがしっかりと生きた上品な味わいを楽しめる一品で、「船場煮」とも呼ばれる。魚のあらまで余さず利用する、大阪らしい“始末の料理”である。船場は、明治から大正にかけて大阪の商業の中心地として賑わった問屋街。当時、多くの奉公人を抱えていた商家の食生活は、朝夕が茶漬けと漬物、昼が一汁一菜といったごく質素なもので、月2回だけ、塩鯖などの魚が食膳にあがった。その魚の身をとった後の頭、骨、あらを使ってだしを取り、大根を煮たものが船場汁である。魚のあらまで余さず使えて経済的で、かつ時間をかけずに作れることから忙しい商家で重宝され、日常食として定着した。」(うちの郷土料理/農林水産省)とありました。要するにあら汁です。魚のあらゆる部位は滋味に富んでいます。それをクツクツと煮込んで旨味を最大限に引き出し、塩や味噌で味付けを施したものをあら汁と呼んでいます。居酒屋や大衆割烹なんかで食べることができます。真の酒飲みを自負するなら、「あら汁」は必ず頼んでいただきたい一品。それが例えば鯛なら、刺身だけじゃなく、鯛という魚そのものが好きになるはずです。今回は塩サバの切り身を使って作りましたが、ぜひ「あら」を使って作ってみてください。きっとその美味しさに感動するはずです。味噌仕立てで食べやすくしてみました。一杯やった後の〆にいかがですか?
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船場汁
塩サバ半身1切れ、大根3センチ、人参1/4本、生姜2かけ、薬味ネギ5g、かつおだし600ml、合わせ味噌大2、味醂小1
1:塩サバは2センチ幅にカット、生姜は薄くスライスしたものと千切りにしたもの1かけずつを軽く水にさらす(目安1分)
2:大根と人参は5ミリ幅にカット後半月切りにする
3:鰹出汁を手鍋に用意し、大根と人参を柔らかくなるまで煮込む(極力沸騰させないよう一歩手前の感覚で)
4:野菜が柔らかくなったら塩サバとスライス生姜を加える
5:塩サバに火が通ったら、味噌と味醂を加え沸騰直前まで加熱する
6:お椀に盛り、薬味ネギを加え針生姜をあしらって完成