すき焼きはこれまでも関東編、関西編と紹介してきたんですが、私の家族が育った九州のすき焼きを紹介しないわけにはいきません(義務感)。祖母が子供の頃からこれっぽいものを作ってくれていたので、てっきり宮崎県の郷土料理かと思ったら、大変失礼いたしました、福岡県の郷土料理でした。「福岡県で鶏肉を食べる習慣が生まれた背景として、江戸時代の飢饉(享保の飢饉等)で福岡藩の財政が枯渇したことがある。福岡藩では「鶏卵仕組」という役所をつくり、藩内で養鶏を振興して鶏卵を上方に出荷することで、財政を立て直そうとしたため、養鶏が盛んになったといわれている。大きい客寄せの日には、鶏を一羽あるいは数羽をしめてすき焼きにしていた。各家の台所には、有田焼の大皿にしめて解体した鶏を、もつ(内臓)も一緒に盛り、他の大皿には、白菜、ねぎ、かぶ、豆腐、こんにゃく、春菊などを盛っていた。座敷にゴザをひいて七輪をおいて、そこで鉄鍋をおいてすき焼きをしてもてなしていた。」(うちの郷土料理/農林水産省)。とあるんですが、九州全域で鶏肉のすき焼きはよく食べられています。ただ、県、地域によって独自のカラーがあります。今回は宮崎風ではありませんが、祖母らしい栄養たっぷり、滋味抜群の鶏すき焼きを「思い出せる範囲で」再現してみました。こんなには具沢山ではありませんでしたが、とにかく「ただ旨い!」すき焼きです。牛蒡とか根菜も入っていたかな... 僕は「がめ煮(ブログ内で検索)」と区別が付かなかったんですが、出汁の旨味を効かせて素材の持ち味を引き出したのが「がめ煮」、割り下をしっかりきかせてその甘辛味で食べさせるのが「鶏すき焼き」といったところでしょうか。卵ではなくて、ぜひ、ゆずやかぼす、すだちの絞り汁につけてお召し上がりください。今まで味わったことのない「すき焼き」の面白さに気づくはずです。そして、〆は鍋に卵を落として親子丼でどうぞ。郷土料理って本当にいいものですね! 和食、盛り上げていきましょう!
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鶏すき焼き鍋
鶏モモ肉200〜300g(骨つきが手に入る方はぜひそちらで!)、野菜カット(椎茸、水菜、まいたけ、えのき、人参、焼き豆腐、白菜を各少量)、割下(水50ml、濃口醤油50cc、酒50cc、砂糖大4)
1:割したを鍋に入れて加熱しておく
2:各野菜をお好みの大きさにカットしておく
3:沸騰してきたら鶏モモ肉を煮込んで、色が変わったら白菜、人参と火の通りの遅いものから煮込み始める
4:ゆずやカボス、すだちは絞っておく。全体に火が通ったら食べごろです
5:堪能したら、〆は溶き卵と少量の玉ねぎを入れて再沸騰。親子丼が美味しいですよ!