色々ありましての夕食は「伝承千年の宿 佐勘」さんで懐石料理をいただきました。ところでこの佐勘さんのある場所は「秋保(あきうと読むそうです)温泉」という日本でも名高い温泉の聖地。

「秋保温泉は、大和物語や拾遺集に名取の御湯(なとりのみゆ)と歌われた、日本三御湯のひとつです。起源は今から1500年ほど前まで遠くさかのぼります。時の帝、第29代・欽明天皇が疱瘡(天然痘)をわずらわれた折、治癒を祈祷したところ、奥羽秋保の温泉湯浴みすればよいと告げられました。」(伝承千年の宿 佐勘HPより抜粋)

詳細は「伝承千年の宿 佐勘(https://www.hotel-sakan.com)」HPに譲りますが、とても伝統のあるお宿とお料理です(汗)。味はもちろん間違いないんですが、仕立ての美しさに息を飲みました。

食前酒、前菜、造り、焼き物、凌ぎ、煮物、口代り、台の物(せり鍋)となります。

食前酒は宇和島レモンピール入りのレモン酒。前菜は豚肩ロース仙台味噌仕立て、海老帆立うに焼きの一夜干し、仙台雪菜とかにのお浸し、鰤の塩麹漬け七味焼き、里芋の香草揚げです。心の中で迷い箸ですよこれ(震)。彩の美しさもさることながら、一口づつがとにかく尊い味わいです。

前菜はずっと眺めていたくなる美しさ。調和しつつそれぞれが主張する強さを併せ持つ、見事な仕立てです。

凌ぎの逸品。赤飯と煮穴子の白絹巻は、前菜を食べ終わってちょっと口寂しい思いを癒してくれます。まさに「凌ぎ」。赤飯と煮穴子をだし感たっぷりの油揚げで包んで仕立ててあります。口の中にじゅわりとしただしと赤飯の充実感、煮穴子の旨みが溢れます。

造りは鮪、ぶり政、このしろ酢〆、甘エビ。気を衒わない正直な仕立てです。特にこのしろ酢〆が絶品でした。

プロのプロが仕立てるとこれが煮物の答えになります。鰆の揚げ煮、大根、パプリカ、青味。吸い地はジュレ状で飲み干せる旨さ。滋味たっぷりです。

口代りはトリュフフラン。川俣軍鶏、鮑だけ、大黒しめじです。高級な茶碗蒸しを食べている感覚です。

写真はありませんが一番最初の赤い四角い陶器には焼き物(銀鱈照り焼き、さつま芋檸檬煮、はじかみ)、左上の台の物はせり鍋(鴨肉、糸蒟蒻、ごぼう、仙台麩)となっていました。

その後は食事としてご飯、止椀として炙り鯛とそうめんの吸い物、香の物、甘味(ブラマンジェ)で締めくくられました。

夢うつつというんでしょうか... このお料理と向き合っている自分しかいないような感覚に陥りました。音も何も消えてしまって... 食べているというより、体の中へ淡雪のように溶けていっている感覚でした。素材を活かすってこういうことを言うんだなと思いました。

温泉もお宿も、朝食ブッフェも全て最高な「佐勘」さんだったんですが、この会席料理はiketchにとって忘れられない多くのことを教えてくれました。ご馳走様でした。

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