気づきというか、本来肉汁うどんってうち(埼玉県)の郷土料理じゃないですか。日々食べられる簡単な調理方法じゃなきゃダメなんじゃないかと思ったんです。かえしにこだわったり、だしにこだわったりしてきたんですが、どうにも敷居が高い。そのレシピだと、美味しいんだけどすぐに作れない。一般的な家庭で家にかえしなんて置いてないし、作らないですよね。趣味ならいいです、でもそうじゃない。日々食べてきた物のはずです。

だから、そもそもの構成を見直しました。本来、武蔵野うどんは「糧(かて)うどん」と呼ばれていて、主食として根付いたもの。畑仕事の合間に「肉汁、食うべぇや」なんて、食べられていた日常食、埼玉県民の主食であり、ソウル(魂)です。

カスタマイズ自在、家庭の数だけ「肉汁うどん」があるっ! そんな一品に仕立てました。

自宅でうどんを踏んで、調味料を合わせて汁をチャチャっと作り、たっぷりの豚肉を入れて食べる、このレシピを見た人が「すぐにでも作れる旨い肉汁うどん」を目指しました。さすがにうどんからは手間がかかりますので、ここは生うどんか、コシの強い乾麺を購入しましょう。勝負はここからです。高いお肉を使えば、旨いつゆにはなります。でも、ありきたりの食材で我が家の名物料理にしていきましょうよ。親から子へ語り継がれる「おふくろが、おやじが作ってくれた肉汁うどん」これが埼玉の名物じゃなきゃ、とiketchは思います。

豚肉とネギと刻み揚げがたっぷり入った、旨じょっぱい肉汁つゆ。飲み干したくなるはず!

だからレシピはシンプルにしました。すっきりした味わいにしたい? おろし生姜加えましょ。コクが欲しい? ラード、味醂、砂糖、豚肉の脂身で自在にプラスしましょ。香りが命だろ? 旨い地場産の醤油使いましょ、追い鰹しましょ。コシの強いうどんだろ? 生麺や乾麺を適切に茹でて流水でしっかり滑りをとり、きっちりしめて水切りしましょ。たったこれだけの操作で郷土の味が「家庭の味」になるはずです。今回は一応の答えです。これが正解じゃないんですが、味を追求するあまり、作る人や食べる人を見失ってしまうことがないようにと思い、レシピにまとめました。

太くてコシの強い生うどんを探して、探して! 2つが出会うと奇跡が起きる!

「うんめぇ、肉汁だべ!」

箸が止まらない肉汁をすすりながら。

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