昔、実家に帰省すると姐さん(僕の叔母)がいつも大好きなものでお膳を作ってくれまして、そのお膳には「マグロの刺身」「姫きんぴら(ブログ内、姫きんぴらで検索)」と後一品季節のものが拵えてありました。計3品。これで冷えた一番搾りを飲むわけです。仕事のことや、近況を楽しく話した後は、祖母と姐さんの話の聞き手にまわってゆっくりすぎていく時間を楽しみました。狭い公団住宅の一室ではありましたが、料理へのこだわりは半端なく、手を抜かないんですよ、姐さんは(汗) 見て美味しそうと思う盛り付けや、香りを大事にしたいものは直前まで仕上げないとか、そうそう、刺身は柵の状態にしてあって、僕の風呂上がりを目掛けて刺身に仕上げるんですよね。火を入れる料理(小鍋、湯豆腐とか)もそうでした。ここら辺にプロの仕事を見ました。どうした(どうなった)ものが美味しいか? というゴールがはっきり見えている人だったんですよね。感心と尊敬しかなかった自分ですが、姐さんがなくなって遺品整理で色々いただいた時、「味付け上手のたれ・ソースドレッシング/料理研究家:小川圭子著」という本を見つけました。夢中で読んだんですが、とにかく細かい。内容が濃いんです。他には料理本の類はなかったので、姐さんのバイブルだったんでしょう。必要なレシピは上手に本から引き抜いてあって、それを見ながら作ったことが偲ばれました(接着剤で修復するのが大変でした)。和食の人なのに中華や洋食、エスニックを学んでいたんですね。最初からできる人ではなく、努力してできるようになったんだということをしみじみと思いました。ちょっと参考までに写真を載せますが、かなり敷居が高いですよ(汗) マデラ酒とかケッパーとかココナッツミルクとか... 常備している家庭、ないんじゃないかな(汗) そんなところにインスパイアされて「雰囲気が変わる梅きゅう」を作ってみました。ゴールは「きゅうりはきゅうりだけど表情を変えるきゅうり」です。姉さんのレシピではありませんが、美味しいものをもっと美味しくする方法を、僕は姐さんから学んでいたのかもしれませんね。
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梅きゅう(3種のディップ)
新鮮なきゅうり(持って棘を感じるもの、色の濃いもの)、梅味噌(梅干し1個、味噌10g)、鰹梅(梅干し1個、鰹節小袋1pc、薄口醤油小1)、わさび梅(梅干し1個、わさびチューブ2g)
1:きゅうりは冷蔵庫でしっかりと冷やしておく(できれば半日くらい)
2:食べる直前に板摺をし、棘と皮の水分をぬく。その後は軽く水洗いし冷えた器に盛り付ける
3:ディップ各種に使う梅干しは種を抜いておく
4:包丁の先で梅干しを叩いてあら微塵にし、各種材料を混ぜ込む(まな板の上で包丁を使って調合して構いません)
5:ディップを薬味ざらに見栄えよく盛り付け、完成