今、手術をするとき、好きな音楽をかけてもらえるんですね。素敵です。頑張れる。
「米津玄師さんをお願いします... 」
麻酔を打たれた時に流れた曲は「檸檬」でした。涙がこぼれそうでした。大切な曲、大好きな曲です。亡くなった祖父を思い出させてくれる曲です。
「おじいちゃん、頑張るね... 」
僕が生まれたのは誰かのためじゃなかったんだ。自分のために生まれてきたんだ。その究極の自分のためにという思いで人は幸せになっていくと幼い頃そう、信じた。自分が幸せになるために、まず誰かが幸せになれという強い思い、自分の欲望が人を幸せにしていくと信じた。血の涙を流すことになっても。僕はそう信じて生きてきた。人の道だけ外さなければいい、泥まみれになっても、指さされて笑われても。

僕は鳥の中で一番烏が好きだ。カメの中の水を飲むために嘴が届かない時、烏は小石を運びカメに入れる。そうすることでカメの水位が上がり水を飲めることを知っているのだ。賢い、本当に賢い。
とあるお店の店長に赴任した時、カラスの被害が酷いとパートさんが嘆いていた。休憩の時、僕がゴミ捨て場に行った時、烏と目が合った。おい、友よ、僕の声が聞こえるかい?
「君らも必死だろう。でも、わかってくれ、ゴミを荒らさないでほしい」
僕は言って少し頭を下げた。烏は僕をじっと見ていた。ただ見ていた。
次の日から烏はゴミ捨て場を荒らさなくなった。信じられないかもしれないけど、事実だ。ゴミ捨て場の横にこっそり「お礼の餌場」を作った。誰にもバレないように。いつもそれは無くなっていた。証拠を隠滅してくれていた。君ら、実は僕らのことちゃんと理解してるんだろう? そう思った。
烏よ、君たちは一体何者なんだ? 米津さんが曲にしてくれたけど、謎は謎のまま。僕の普段着は全身真っ黒。Tシャツもズボンも靴下も、下着も。まるで「烏」だ。君らは、知っているんだろう? 人間という生き物を。僕という生き物を。そして全身黒づくめで赤い涙を流しながら生きている人間がいることを。
烏は夕焼けの入道雲をバックに、空を見つめている。ごめんね、米津さん、僕の心の中で彼らは夕焼けの空を見上げてる。ただ、見つめてる。青い空じゃない。でも、それでいい。烏は何かを知っている。それに気づくことは、僕はないかもしれない。それでいい。今だけは誰の声も聞こえない場所に行こう、行こう、行こう。辿り直していこう。Google gemini AIが素敵な画像を僕にくれた。わかるかいアーティフィシャルなインテリジェンスよ。これが人なんだよ、烏なんだよ。烏は烏という生き方を貫く。
澄み渡る青い方、僕は、見えるかな? 夕暮れの空に烏は羽ばたいていく。









