埼玉県が海につながる貴重な接点、角上魚類さんに行ってきました。新鮮なのはもちろん、1匹売りも珍しい部位もお値打ちに手に入るので重宝しております。いや〜 色々あって楽しい、目移りするラインナップに心躍らせながら今回は「そうだ、松岡さん(松岡醸造株式会社/埼玉県比企郡小川町)しか紹介してなかったけ、埼玉の旨い地酒。」と思い立ち、小山本家酒造さんを紹介することにしました。

株式会社小山本家酒造さんは創業1808年(文化五年)でまもなく、創設260周年を迎えようという指扇(さいたま市西区)の超老舗企業です。江戸時代ですよ、江戸時代。「金紋世界鷹」が著名なんですが、僕はエントリー品の「界」や「蔵そだち」が好きです。オールラウンダーで温冷とわず美味しい。リーズナブルなので料理にもガンガン使います。構えて呑む松岡醸造さんの「帝松」とは対照的に、気軽にちょいと一杯に向いている口当たりです。特に「界」や「蔵そだち」は比較的スーパーでも購入しやすく、特に今回料理にも使用する「蔵そだち」は穏やかな香りとスッキリした口当たり、余韻が特徴です。

スッキリ穏やかな口当たりで、辛くなく飲みやすい味わいです。¥1000程度で買えて、冷温問わず料理にも使えるコスパ抜群の日本酒です。

いい酒を使えば料理が美味しく作れるわけではありませんが、いい酒を飲めば間違いなく単純な料理も美味しく食べられるということを教えてくれる日本酒だと断言します。まず、2リットル¥1000前後という価格が料理に「思い切って使ってみよう」という気持ちにしてくれます。ちなみに、料理に使う酒の効果(素材を柔らかくする、臭みを消す、旨味を加えるなど)は値段と関係ありません。つまり、高いお酒だから「美味しくなる」わけではないのです。日本酒の持つ独自の成分が料理を美味しくします。高いお酒は香りも、旨味も格別ですのでそれ用に取っておきましょう。でも、構えずに「クイっと一杯」やりたい時ってあるじゃないですか。今回なんてまさにそれです。

「そういや、勤め先のつぶ貝旨そうだったな。あれ作るか」と角上魚類さんで「磯つぶ貝」を購入しました。旨そうなつぶ貝→うま煮でも作るか→作ってる最中に「蔵そだち」をクイッとやりつつ、鍋に酒を流し込む。クツクツやってるのを眺めながら、もう一口。食べられるのは明日。今日はこの流れで、冷奴や、特売の刺身でもいいかな〜 なんて思いながら、仕込みを終えてそのまま日本酒で晩酌。明日はきっと旨い「つぶ貝のうま煮」出来上がっているはず。そしたら今度はそれで一杯。僕の日常の幸せはこうして成り立っています。

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