人口28000人、比企地方及び県南西部の最も北西に位置し、秩父地方のすぐ外側に位置する小川町。江戸から川越を抜けて秩父に向かう街道が町を東西に抜けており、古くはその地理的な優位性から六斎市が立つなど地域の商業中心であったそうです。外秩父の山に囲まれた小川盆地に市街地があり、その地勢から「武蔵の小京都」の異名を持ち、伝統工芸の和紙で知られています。僕の大好きな埼玉の(というか小川の)地酒「帝松」が作られる街でもあります。店長時代に比企郡の町で卒業するクルーさんに「お世話になりました」と一升瓶をいただきまして、そのうまさに舌鼓。辛口なのにふくよかな味わいで、独特の切れ味と余韻が心地よく以降、日本酒はこればかりになりました。さて、酒は別で語るとして今日は「忠七めし」を語りましょう。「忠七めし」(ちゅうしちめし)は割烹二葉八代目館主・八木忠七氏と明治の偉傑・山岡鉄舟居士との出会いから生まれました。鉄舟居士は父の知行地・小川町竹沢を訪れる際、必ず店に立ち寄られ忠七氏の調理する料理を食べながら酒を飲まれるのが常だったそうです。ある日、忠七氏に向って居士は「調理に禅味を盛れ」と示唆され、それを受けた忠七氏が創始したものが「忠七めし」なのだそうです。東京・深川めし、大阪・かやくめし、などと並び、昭和十四年、当時の宮内庁が行った全国郷土料理調査に於いて日本の代表的料理に選出され、「日本五大名飯」の一つに挙げられています。すごい、皇族の方々もお召し上がりになる料理なんですね。でも、見かけは素朴なだし茶漬けです。正座して、静かに食べたくなる料理「忠七めし」埋もれてほしくない埼玉の宝の一つです。
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忠七めし(熱々のお出しをかけて...)
ご飯120g、焼き海苔1枚(おむすび用)、わさび2g、ゆず3g、薬味ネギ10g、お出し(水280cc、白だし大1、塩ひとつまみ)
1:手鍋にお出しをわかし、出汁ポットなどに入れておく
2:焼き海苔は軽く炙ってパリッとさせ、よそったご飯にかける
3:わさび、ゆず、薬味ネギをトッピングし、お出しをかける
4:香の物などを添えて、サラサラといただきます、完成