日本冷菜の筆頭格、おひたし。大事なことは「浸す!」です。いくつかの失敗事例を見てきたんですが、それを回避するポイントを含めて教えますね。まず、「おひたし」とは、だし汁ベースの地(じ)に、浸すだけで味付けをするシンプルな調理法のことです。季節ごとのいろいろな野菜で作ることができますが、今回はほうれん草を使っていきます。ほうれん草は束の真ん中を持って(慣れなければ輪ゴムで縛って)、水を貯めた大きめのボールに葉の部分、根本に近い部分と交互にバシャバシャと洗います。後でボールの中を覗いてみると、少量の砂が沈んでいるのがわかると思います。そのまま手に持ってまな板に乗せ、根本の先に切れ目を入れます。これで茹でる準備完了です。次に沸騰したたっぷりのお湯(1.5Lくらい)に小さじ1の塩を入れ、茎だけ沈めて30秒キープします。30秒たったら葉の部分も沈めて更に30秒キープします。この間にきれいにしたボールに流水で水を溜めます。合計1分湯がいたらそのまますぐにボールの水につけ冷却と色止めを行います。ほうれん草は冷えたら軽く水を切り、まな板で適当な大きさにカットして下準備完了となります。ここからは「おひたし」を作っていくポイントです。①先ほど水を切ったほうれん草ですが、更に強く水を押し出してください。浸すだし汁がよく染み込むためです。これで水っぽくなりません。②十分なだし汁に漬け込んでください。状態で言うとほうれん草が完全にだし汁をかぶっているようにすることです。③しっかり冷やしておしまい... なんですが、味を加えたいときは出来上がり後にすることです。例えばだし感が欲しいときは鰹節、味を濃くしたいときは醤油というようにするとうまく味付けできます。風味をアップさせたいときはすりごまなんかがいいですね。最後、だしについての補足です。顆粒の出しのもとで美味しくできますが、鰹節系が相性良いです。煮干し、いりこ系のアクが強いのはあいません。でも、僕はほとんどの料理をあごだし(とびうお)で作っていますので、慣れた味で作るのもおすすめです。簡単な調理なのに奥が深いですよね、こういうシンプルなのは前述した細かい仕事がそのまま料理にあらわれます。何気なくしていたことですが、文章に起こすとこんなに長い解説になるんですね(汗)。冷んやり冷菜で、食欲あげていきましょう!

追記:おひたしに向く野菜は、春なら「菜の花、たけのこ、キャベツ」、夏なら「モロヘイヤ、オクラ」、秋なら「きのこ、小松菜」、冬なら「ほうれん草、水菜、ブロッコリー、白菜」なんかがあります。色々試してみてください。

冷んやり、シミうま〜!
しっかり浸して、しっかり冷やす!

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