書いてて思ったんですが、先付けって皆さんご存知ですか? 懐石料理では、最初にごはん、汁と共に、「向付」と呼ばれるおかずの皿が出されます。もともと、「懐石料理」にならって「会席料理」が誕生したことから、「向付の前に出される料理」との意味から「先付」と呼ばれるようになったと言われています。ちなみに似た料理に「お通し」と「突き出し」というのがあります。お通しと突き出しはほぼ同義語で関東ではお通し、関西では突き出しと呼んでいます。お客様が料理(ドリンク)を注文したあとに出されるもので、料理が到着するまでのあいだに酒を飲みながら軽くつまめる小皿料理を指します。メインの料理が小鉢ってのもアレですから、ちょっとご飯を食べるお供やメインを待つお酒の肴に気の利いたやつを紹介しておきますね。今回はこの構成にしましたが海老の代わりに蟹身でも、三つ葉の代わりにせりなんかでも風情があっていいと思います。重要なのは地(料理の基本となる材料や下地のことで、吸い地(吸い物だし)、八方地(八方だし)、しんじょ地などがあります。)の部分。素材の色合いを大切にするため濃口ではなく薄口醤油を使ったり、砂糖の代わりにみりんを使うことで自然な甘さや鮮やかな色合いを引き出します。そして、今回はえびだし(他の種類も含めておだし)。いい出汁を使って自然な塩味を実現します。これがメインの前、食事のお供として登場することで構成の彩りや、食感の違いや舌触りの違いを楽しむことができます。また、過去記事「お通しに物申す」でも触れたように「お店の実力を窺い知る」ことができる重要な料理なんですね。今月はいくつか紹介しますので、常備菜とは違う「先付け」を覚えて食卓に彩りをプラスしていきましょう!

プリプリの海老とだし卵の美味しさに三つ葉の香りを添えて。海老だしが上品に海老の旨味をアップさせ、だし卵に自然な塩味を加えます。メインが来る前に飲み過ぎないでくださいね(汗)

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